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2006年は、家族が増え、楽しい仲間も増え、かなり充実する事が出来ました。みんなありがと♪2007年もどうか宜しくッピ!


by makokaeru
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平凡な彼女について。

先日、ある映画を見ました。
ソフィア・コッポラ監督の「マリーアントワネット」です。

この作品、結構話題になってるみたいですね。
彼女のファッションが現代風に取り入れられた物が流行っていたり、
お菓子が注目を浴びていたり、お姫様体験が出来る
一流ホテルの企画まであるという話ですから。

ベルサイユ時代から今に至るまで、世の中に影響を与え続けている、
「フランス王妃」という非平凡的な女性の、ごく平凡な女性的魅力が
長い間、私を魅了し続けています。
きっと、私と同じ気持ちの女性はとても多いはずです。

私が「彼女」と出会ったのは、高校性の時だったと思います。
かの伝説的少女漫画、「ベルサイユのバラ」にハマり、
それこそ最初はオスカル様のカッコよさに夢中になったものですが
何年もこの漫画と付き合うようになってから、
私の興味は、実際にこの世に存在したマリー・アントワネットという
一人の女性に徐々に移行し始めたのでした。

様々な資料を集め、ボロボロになるまで夢中で読み漁りました。
彼女の事が知りたくて、四方八方に手を伸ばしました。
映画を見たり、画集を見たり、難しくて分からない事だらけだったけど
フランス革命の本を読んで見たり。。。
テレビでベルサイユの特集をやっていれば必ずかじりついて
会えるはずも無い彼女に会いに、いつか行くんだ、行くんだと
心躍らせていました。

でも、何ででしょう?
何がこんなにも私を引き付けるのでしょう。

その理由は、分かってはいましたが、今回のこの映画を観て
本当に、凄く凄く思い知らされました。

映画は、フランスの貴族文化が最も栄えていた時代、
ベルサイユというこの世で一番華やかで高貴で
気が遠くなるような贅沢なひと時を映し出していたにも関わらず、
ソフィア・コッポラ監督の視点で作り上げられた映像は
私達がよく目にする、青春映画そのものだったからです。

彼女は小さいときから良く笑い、おてんばで明るくて、
14歳でオーストリアからフランスに嫁いでからもその魅力は変わらず、
勉強が苦手で、難しい政治の話より楽しい遊びが大好きで、
気の会う友達と一緒にいたくて、大好きな人に愛されたくて。。。
ただ、それだけだったのですから。
友達と一緒にお酒を飲んではしゃいで、じゃれあって、
時間が経つのも忘れてどんちゃん騒ぎ。

この映画の中にこんなシーンがあります。
彼女の誕生日にお祝いをするためにやって来た仲間と
朝まで飲んで騒いで、明け方、皆で薄暗い外に出て
乱れた化粧顔を並べ、日の出を見るのです。
「こんなに美しい日のでは初めて。。。」と。
このシーンを見ながら私は、彼女が愛しくてたまらなくなりました。

こんな、どこにでもある風景を作り上げられる「彼女」の魅力。
それは、政治的能力に長けた一国の皇女などではなく、
今を生きる女性と何ら変わりない、平凡なその人柄だったのです。

何だか、色んな事が言いたくてまとまらなくなってきたけど、
私が彼女に引かれる最も大きな魅力は
私と彼女はよく似ているなぁと思わせる所なのでしょう。
明るいけどわがままで考えが軽くて、
楽な方へ流れて行っちゃうトコとか、も、そのままです。
しかも生まれながらの超セレブ、女の子の憧れのお姫様ですよ!
しかも魅力的な美人(絶世の美女だったワケではないようですが
そこがまた親近感を覚えてしまうのです)で
世代のファッションリーダーと来たもんだ。
そりゃ~気になりますよね。

映画の話になりますが、「マリー・アントワネット」には
そんな平凡な人柄を持つ彼女が抱えていた様々な苦悩を
女性ならではの観点で、しっかり描かれていた事がとても印象的でした。
無関心な夫に長い間愛されずにいた孤独感、
世継ぎ問題のプレッシャーに押しつぶされそうになる毎日。
(ルイ16世の弟に、先に子供が出来て
一人膝を抱えて泣いていたシーンは胸を打ちました)
あぁ、もし彼女が平民だったらどんなに幸せな生活を送れただろう、と
同情せずにはいられませんでした。

それから、マリー・アントワネット役の女優さん。
CMや広告で観ただけでは、あまり可愛くないな~という印象でしたが
実際に映画を観ると、何て軽やかで、素敵な笑顔で演技をするんだろうと
いう印象に変わり、それなのに裏の部分の表情もしっかりと出せていて
とても好印象にうつりました。

この可愛らしいマリーと、目まぐるしく変わるピンクやパステルブルーや
イエローのドレスや靴や小物達、そしてゴージャスなお菓子、宝石たち。
女の子が大好きなレースやリボンが満載で。
ポップでキュートで華やかな色彩には、
切れの良いロックが良く似合いました。
最初は「英語でしょ?フランス語じゃなきゃ雰囲気でないでしょ」って
思ってたけど、こんなに軽快な映画には英語の方が
より親しみを持って見れた気がします。

映画が、フランス革命直後の暴動で、ルイ16世の家族達が
ベルサイユを去らなければいけない所で終わっていたのも納得。
マリー・アントワネットが華やいでいた時代だけを良いトコ取り。
もし、この映画で彼女の人生を全て語ってしまったら
それはとてもアンバランスな作品になってしまっていたのではと思います。
彼女が描きたかったのは、革命以前のより平凡な女性である王妃です。
そしてここまでを観終わった、彼女について詳しく知らない人たちは
きっとその後の彼女に関心を抱いてくれる事でしょう。

その他にも素晴らしいシーンは沢山あったけど
自分的にヒットだったのはノアイユ伯婦人が何とも誇りに満ちた表情で
マリー・アントワネット曰く「バカみたい」なベルサイユのしきたりを
マリーに教えていたトコ、も、マジウケでしたwww

とにかく、この映画は素晴らしいという事。
マリー・アントワネットを知ってる人も、知らない人も、
女性は勿論男性諸君も(映画館には以外にも男性の姿が多く見られました)
機会があったら、この偉大な歴史ドラマの主人公となった
1人の女性の真実を、是非ご覧頂きたい。

私は。。。多分又映画館に行くと思いますw

長々と独り言、失礼しました。
同じ想いでこの日記を読んでくれる方がいたら光栄です。
by makokaeru | 2007-02-03 21:37 | まこ蛙